2012年6月5日火曜日

 http://kyushu.yomiuri.co.jp/news-spe/20101002-883049/news/20120605-OYS1T00275.htm

がれき試験焼却見送り、住民に根強い不信感

 
定例記者会見で説明する吉本市長
東日本大震災のがれきの試験焼却を行う意向を表明した津久見市の吉本幸司市長は、住民や市議会から「拙速だ」と反発を受け、1週間足らずで発言を 撤回する事態となった。改めて安全性などを説明していく方針が示されたが、住民らの不信感は根強く、受け入れ実現の見通しは不透明だ。
 5月27日に県が開いた住民説明会では「ミカンや魚が売れなくなったら、どう責任を取るのか」「施設から放射性物質が漏れ出す恐れがあるのでは」といった意見が相次いだ。ところが、吉本市長はこの2日後に試験焼却を行う意向を表明した。
 吉本市長は4日の定例記者会見で、29日の表明の意図を「反対の声を受け、試験焼却の具体的なデータをもとにして説明する必要があると感じたか ら」と説明。今後の方針について「県の住民説明会が専門的で分かりにくかったという側面もある。市民や区長ら、市議にどのような説明をしていくのか、県と 協議したい」と語った。
 一方、報道陣の取材に応じた広瀬知事は「丁寧に説明していくことは大事。市から説明会などで協力を求められれば、喜んで応じたい」と話した。
 工場付近の6自治会でつくる青江地区区長会は29日の表明に反発し、現状では試験焼却を認めないことを決めていた。このうち、特に工場に近い「入 船地区」の津行宏敏区長(65)は「撤回してもらい、一安心したが、どうしてあれだけ強行に進めようとしたのかが判然としない。これまで通り『試験焼却あ りき』の説明が続くのであれば、意味がない」と話した。
(2012年6月5日  読売新聞)

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