2012年6月2日土曜日

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慎重な声広がる 津久見がれき試験焼却問題[2012年6月2日 10時26分]

県が震災がれきの試験焼却の要請を計画している太平洋セメント大分工場=1日、津久見市
県が震災がれきの試験焼却の要請を計画している太平洋セメント大分工場=1日、津久見市
東日本大震災で発生したがれきの試験焼却をめぐり、県が受け入れを要請する太平洋セメント大分工場(津久見市)の地元区長会が反対を表明したことを受 け、同市は1日、「市民への伝え方や実施について(あらためて)検討していきたい」との考えを示した。市内には賛否両論あるが、「市の性急な判断」を理由 にがれき受け入れに慎重な声も広がっており、試験焼却の実施は先行き不透明となっている。

 太平洋セメント大分工場は試験焼却について「地元住民の同意が前提」としている。県が5月27日に開いた説明会では安全性や風評被害などの問題から反対 の声が続出したが、吉本幸司市長は2日後、「反対は一部」などとして受け入れを表明。このため、従来反対してきた工場の地元・入船区に加え、同じ青江地区 の区長会(6人)も「説明は不十分」として現時点での反対方針を決めた。
 市区長会の宮崎祥一郎会長は「区長会で県生活環境部長から説明を受け、各区で対応を協議している最中だった。区民にどう説明すればいいのか。市長の姿勢に不信を抱いた区長は少なくない」と説明会の再度開催を市に求めるという。
 3月議会で「市としてでき得ることを積極的に行うことを要請する」との決議案を採択した市議会も複雑だ。高野幹也議長は「県や市民の意見を聞いて勉強しているところ。しかるべき時にしかるべき方法で議会としての意思表示をしたい」と話すにとどめた。
 蒲原学副市長は取材に対し、「市長が出張中なので今後協議する。市民への説明の場として、試験焼却の前に区長や議員向けに実施する方法が考えられる」と話している。
 市民はどう見ているのか。無職の男性(63)は「津久見は工業のまち。県外から来た人も多く、助け合いの気持ちも強い。反対はごく少数」、会社員の男性(62)は「絆の大切さが見直されている時に反対意見があるのは残念」と話す。
 一方で主婦(60)は「決定は市民の納得の上でなされるべきでは」、会社員の女性(59)は「賛成だが、住民説明会は建前。受け入れありきだったのではないか」と疑問を投げ掛けた。

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